出会った頃のことを思い出す
このごろでは思い出してみることもなかったんですが、わたしは矢のように一方に向かうこの人の様子に惹かれたんでした。こういう猪突猛進型の人って当時でも珍しかった気がします。
気持ちと行動が一致してる様子が面白かったというか、話は弾まなくても好意がぽんとそこに投げ出されてるのが分かって、一緒に海や山へ出かけたりするのが楽しくて、それなら言葉なんて要らないとそのころは思っていました。この人が私のどこを見て面白がってくれていたのかは今もってよく分かりませんが。
私たちの性格なり性質の凸凹はふんわりした気持ちで満たされ少しずつ膨らんで緩やかなカーブを描き、2人ちょうどぴったりに形よく収まっていたようでした。
時おり感じる小さな違和感は当時、こんな人は見たことないなー、とうまく変換されていました。お付き合いを始めて1ヶ月で遠距離が始まり、1年間会えなかったのもいい具合にフィルターとして機能していたんだと今では思います。
出会った頃を思い出すって、なかなか効果的ですね。考えながら少し優しい気持ちになれました。